家賃保証サービスの日本賃貸保証株式会社(JID)は2026年10月29日、PKSHA TechnologyのAIサービスを導入し、月4.3万件にのぼる電話業務の一部をAIが代行、駆け付けサービス受付の事務負担を約30%軽減したと発表しました。電話の多い現場で、AIと人が仕事を分け合う最新のAI事例です。
ここがポイント
- お支払いに関するサポート業務の電話を、AIの自動音声架電「PKSHA VoiceAgent」が一部代行。月4.3万件にのぼる架電の負担を減らします。
- 24時間365日受け付ける住宅設備トラブルの「駆け付けサービス」では、「PKSHA Speech Insight」が通話を音声認識で文字にし、生成AIで要約。複雑な入力作業を減らし、事務負担を約30%軽減しました。
- 目標は「AIによる完全自動化ではなく、人とAIの協働」。決まった作業はAIに任せ、人は判断や気持ちに寄りそう対応に時間を使います。
- 2028年の基幹システム刷新に向けて、審査業務や生活相談の現場にもAI活用を広げる予定です。
何が変わるのか
家賃保証の会社には、家賃の支払いについての連絡や、水漏れ・鍵のトラブルなどの受付といった電話の仕事がたくさんあります。JIDでは業務の拡大とともにお支払いサポートの件数がふえ、担当者の負荷が課題になっていました。また、駆け付けサービスの受付では、話を聞きながら複雑な項目を入力する作業がオペレーターの負担になっていました。
今回の導入で、決まった内容を伝える電話はAIが受け持ち、受付の電話はAIが通話内容を自動でまとめるようになりました。オペレーターは入力に追われず、目の前のお客さまの話に集中しやすくなります。
DXマスターの視点
コンタクトセンターのAI活用は、「すべてをAIに置きかえる」より、「AIが得意な定型の仕事」と「人にしかできない判断や気づかい」を分けるほうがうまくいく例が多くあります。電話をかける側をAIが担うボイスボットと、人の通話を記録・要約するAIの2本立ては、その分け方がわかりやすいモデルです。
住まいのトラブルや支払いの相談は、相手の事情に寄りそう対応が欠かせない分野です。だからこそ、AIで生まれた時間を「人の対応の質」に回すという考え方は、多くの会社の参考になるでしょう。DXマスター(DX MASTER)は、AIをどの業務に生かし、人の仕事をどう組み立て直すかが、これからのDXの中心になると考えます。