大阪府豊中市は2026年10月28日、生成AIを活用した子育て相談チャットボット「とよなか子育てまるっとAIサポート」の運用を、11月2日(月)午前9時から開始すると発表しました。夜中でも休日でも、スマホから匿名で子育ての悩みを相談できる、暮らしに身近なAI事例です。
ここがポイント
- 24時間365日、匿名で相談できる。スマートフォンやパソコンから、WEBまたはLINEで利用できます。
- 生成AIが相談者の気持ちに寄り添い、話を聞いて(傾聴・共感)、相談内容を整理してくれます。
- そのうえで、市のホームページや子育てポータルサイトなど、豊中市の公式情報にもとづいて、合う支援制度や関係する窓口、地域の子育て情報を案内します。
- 運用は、市から委託を受けたエースチャイルド株式会社が担います。
何が変わるのか
子育ての悩みは、子どもが寝たあとの夜や休日など、役所の窓口が閉まっている時間に深まりがちです。また、「こんなことで電話していいのかな」と相談をためらう人も少なくありません。AIのチャットなら、時間を気にせず、名前を出さずに、思いついたときに話しかけられます。
豊中市は、ここまで段階をふんで準備してきました。昨年度(2024年)には市内のイベント会場で対面の実証実験を行い、2025年10月8日〜2026年2月28日にはWeb上で24時間使える実証実験を実施。悩みに寄り添って話を聞く機能や、窓口・サービスを案内する機能を少しずつ加えながら、課題を確かめてきました。今回はその成果をふまえた本格運用です。
DXマスターの視点
この事例のよいところは、AIに「答えを決めさせる」のではなく、「話を聞いて整理し、正しい窓口や制度につなぐ入口」として使っている点です。生成AIはもっともらしい間違い(ハルシネーション)をすることがあるため、案内のよりどころを市の公式情報にしぼる設計は、行政でAIを使うときの基本と言えます。
LINEのように住民がふだん使っているアプリから使えることも、利用のハードルを下げます。人の相談員が必要な場面にきちんとつなぎながら、AIで「相談のすそ野」を広げる——自治体DXの中でも、住民の暮らしに直接効くAI活用の好例です。DXマスター(DX MASTER)は、こうした「AIを住民サービスの入口にする」動きが全国に広がっていくと見ています。