テレビ朝日、KDDI、KDDIスマートドローンの3社は2026年10月21日、能登半島に常設したドローンポートを使って、災害報道の実証を行ったと発表しました。実証は10月7日に、石川県の七尾市・珠洲市・能登町・志賀町で行われました。大きな地震が起きた直後を想定し、東京から現地のドローンを遠隔で飛ばして、上空の映像をそのままニュースに使えるかを確かめたものです。
ここがポイント
- 能登半島の7か所(町役場、消防署の分署、小中学校、交流施設など)に、ドローンが自動で離着陸・格納できるドローンポート「Skydio Dock for X10」が常設されています。
- 発災を想定し、東京の運航拠点から遠隔操作。約15分でドローンを離陸させ、複数のポート上空の映像をテレビ朝日本社へリアルタイムで送りました。
- 映像はテレビ朝日が独自に開発した受信システムを通じて、ニュース番組をつくる副調整室(ニュースサブ)に取り込まれ、すぐ報道に使えることを確認しました。
- 東京のオペレーター2名で4機を同時に運航。定点カメラでは映らない広い範囲を、少ない人数で確かめられました。
- 通信は、KDDI が遠隔運航用の LTE 回線を提供し、ドローンポートの操作やデータの送信には衛星通信の Starlink も使っています。
何が新しいのか
これまで災害報道でドローンを使うには、撮影するスタッフが機体を持って現地へ向かう必要がありました。道路が壊れたり、余震が続いたりする発災直後は、現地に入ること自体が難しく、最初の映像が届くまでに時間がかかります。
今回の実証では、あらかじめ現地にドローンの「基地」を置いておき、遠く離れた東京から飛ばすやり方を試しました。ポートの真上を飛んで周りの様子をすぐ確かめる飛行と、事前に決めたルートで広い範囲を回る飛行を組み合わせ、状況の把握から被害の詳しい確認までを一つの流れとして運用できたとしています。
DXマスターの視点
ドローンポートは、「人がドローンを運ぶ」から「ドローンが現地で待機している」へと、ドローンの使い方を大きく変える仕組みです。今回のように通信会社・ドローン会社・放送局が組むことで、撮った映像を「報道」という形で住民にすぐ届けるところまでつながりました。被害の様子や危険な場所を早く伝えられれば、避難や安全確保の判断にも役立ちます。
常設したポートは、災害がないふだんの日にも、インフラの点検や見回りなどに使える可能性があります。「いざというとき」と「ふだん」の両方で使える設備にできるかが、全国に広げるうえでのカギになりそうです。3社は10月28日の「KDDI SUMMIT 2026」で講演を予定しています。災害に強いまちづくりのDXとして、DXマスター(DX MASTER)でも引き続き注目していきます。