画像生成AI「FLUX」シリーズで知られるドイツの Black Forest Labs(BFL)は2026年10月15日、新しい画像生成モデル「FLUX 3 Image Klein」をオープンウェイトで公開しました。「Klein」はドイツ語で「小さい」という意味。名前のとおり小さめのモデルで、家庭用のパソコンでも動かしやすいのが特徴です。BFL は「FLUX 3 Image Klein is the second open weights release from the FLUX 3 family」と説明しており、FLUX 3 シリーズでは動画系の「FLUX 3 Action」に続く2つ目のオープンウェイト公開です。
ここがポイント
- パラメーター数は56億(5.6B)(画像を作る部分。文章を読み取る部分は含まない)。
- 1つのモデルで、文章からの画像生成・画像編集・最大10枚の参照画像を使った生成に対応。4K解像度での生成もできます。
- 画像の中に枠(バウンディングボックス)を描いて、「ここにこれを置く」「ここだけ直す」と場所を指定できます。
- 必要なメモリの目安:画像を作る部分の重みは、BF16 で約11.2GB、FP8 で約5.6GB。量子化した INT8 版はVRAM 8GB の NVIDIA GeForce RTX GPUで動くとしています。
- BFL によると、軽量版(ステップ蒸留版)の INT8 版を ComfyUI で使うと、1メガピクセルの画像を RTX 5090 で約4秒、RTX 4070 で9秒未満で生成できます。
- 個人と、年間売上500万ドル未満の企業は、商用利用も含めて無料で使えるライセンス(FLUX Kommunity License)。それより大きな組織は、別のライセンスか API で利用します。
何が新しいのか
BFL の社内評価では、前の世代の FLUX.2 [klein](9B)と比べてパラメーターが38%少ないのに、画像生成・画像編集の評価がそろって向上したとしています。つまり、より軽く、より上手になったモデルです。
モデルは2種類あります。自分の目的に合わせて追加学習(ファインチューニング)するための「ベース版」と、少ないステップで素早く画像を作れる「ステップ蒸留版」です。BFL は「Diffusers and Ostris’s AI Toolkit support LoRA training from day one」としており、公開初日からLoRA(小さな追加部品だけを学習させて、画風や商品などを覚えさせる方法)で学習できます。重みは Hugging Face で公開され、ComfyUI などの人気ツールも初日から対応しました。BFL の API では、1枚あたり0.009ドルからの料金で使えます。
安全面では、公開前に社内で攻撃役になって弱点を探す「レッドチーミング」を行い、外部の評価パートナーにも安全性を評価してもらったと説明しています。
DXマスターの視点
画像生成AIはクラウドのサービスで使うのが一般的ですが、自分のパソコンで動かせれば、商品の写真や社外秘のデザイン案を外に出さずに画像を作れます。VRAM 8GB クラスのゲーミングPCでも動く高性能モデルが出てきたことで、中小企業やクリエイターが「手元で画像生成」を始めるハードルはさらに下がりました。
一方で、作った画像の使い方には注意が必要です。他人の作品やキャラクター、実在の人物に似せた画像は、著作権や肖像権のトラブルになりかねません。ライセンスの条件(会社の売上規模による違い)とあわせて、社内での使い方のルールを決めてから導入するのがおすすめです。DXマスター(DX MASTER)では、ローカルで動く生成AIの動きを引き続き追っていきます。